神奈川文化賞の受賞式2018/11/09

 文化の日に神奈川県民ホールで神奈川文化賞の受賞式がありました。 文化賞3名と未来賞2名スポーツ賞4名と1団体が壇上で、黒岩知事から賞状をいただきました。これは神奈川県と神奈川新聞社が共同で賞を出しているそうです。 文化賞の受賞者は当館で展覧会を開催された早川重章さんをはじめとして、保田春彦さん、湯原和夫さん、高橋睦郎さん、山本正道さん、李 禹煥さんがいらっしゃいます。 若江さんはインタビューのなかで、「いまわかる芸術はダメなんです、、、」などと語っていました。

今年のアキさん、どのようなプログラム?2018/11/17

 宮脇愛子さんの展覧会がご縁でミュージアムコンサートを高橋アキさんにお願いしてから、今年で11回を数えるほどになりました。 アキさんほど、美術館でのコンサートがピッタリはまるピアニストはいらっしゃらないのでは・・・。  展示されている、絵画やオブジェ等どんな作品でもピアノの音が浸み込んで作品との交感するプロセスが一つの新たなストーリーを作り出します。プログラムには無いもう一つの別の曲目といっていいでしょう。 そんなアキさんにすっかり魅了されて今年もステキなプログラムを組んだくださったので、ぜひお出かけください。演奏後のブッフェ・パーティでアキさんともご一緒していただけますよ。 15日の豊洲シビックセンターホールのリサイタルでは、アンコール曲が止まらないくらいいつまでもピアノに向かって弾き続けるアキさんの姿が目に焼き付いています。

多和田葉子さんのこと2018/11/18

 先日、新聞で多和田葉子さんが全米図書賞(初の翻訳文学部門)を受賞されたことが大きく報道されました。

多和田さんおめでとうございます。
報道によると「献灯使」2014年作という作品で、舞台は東日本大震災を思わせる大災厄後の日本。困難な状況下で生きる老人と曽孫の姿を描く、デストピア小説。

 多和田さんは当館では2回高瀬アキさんのピアノとのコラボレーションコンサートをいたしました。 2回ともピアノに合わせた自作の朗読で、1回目は2001年9月、2回目は2007年11月4日です。前衛的な演奏で多和田さんはおろし金で乾燥したドイツパンをガリガリと擦って音を出したり、叩いたりの具体音を出します。不協和音がいつか音楽に変わる瞬間を聞き耳を立てて聴いた記憶があります。聴きなれた曲を待っている人はなんて言っていいのか不安な表情でした。

 2007年の演奏後、多和田葉子さん、高瀬アキさん、若江漢字さんの3人が一枚の絵を共同制作した作品をリトグラフにし、記念に茶の湯で使う風呂先屏風に仕立てたのを思い出しました。文章は多和田さん、ドイツ語で書いたのは高瀬さん、壷状の絵を描いたのが若江さんです。

 この企画はピアノ調律をなさっているサウンド・ウェーブの斎藤雅顯さんで、斎藤さんはスイスのジャズマンを呼んだり世界のミュージシャンに、彼らの演奏する機会と場を用意してあげるので、大勢のミュージシャンとっても尊敬されています。その貴重な一コマがカスヤの森現代美術館なんです。今更のように著名な面々の演奏を当館で聴くことができ深く感謝です。斎藤さんありがとうございます。

2007年のコラボレーション:右から高瀬アキさん・多和田葉子さん。

小澤真智子−旅するヴァイオリン2018/11/24

 N.Yに暮らして21年の小澤真智子さん、一時帰国されてのヴァイオリンコンサートが、昨日カスヤの森現代美術館で開催されました。  プログラム前半は北アメリカ、北米随一と言われるガーシュインからポンセ、ラサラなどから始まる、とても耳に心地良い聴きなれた曲でしたが、なんとも心を揺さぶるような、しっかりとしてしかも繊細なヴァイオリンの音にお客様の表情が固まっているようでした。
後半は南米へ、これぞ真智子さんの心の故郷、ご自分の魂は今や51%がアルヘンティーナと言っていました。ピアソラのタンゴ曲ではご持参のタップ靴に履き替えてのヴィオリンとダンスを披露し、これまたお客様はもう目を丸くして見入ってしまいました。 フィアンセとの思い出の詰まったオブビリオン、悲哀にみちた音色はまさにヴィオリンが泣いているようでした。 素晴らしい演奏に魅了されました。 ステキなピアノは芸大時代の同級生:徳永洋明さんでした。