多和田葉子さんのこと2018/11/18

 先日、新聞で多和田葉子さんが全米図書賞(初の翻訳文学部門)を受賞されたことが大きく報道されました。

多和田さんおめでとうございます。
報道によると「献灯使」2014年作という作品で、舞台は東日本大震災を思わせる大災厄後の日本。困難な状況下で生きる老人と曽孫の姿を描く、デストピア小説。

 多和田さんは当館では2回高瀬アキさんのピアノとのコラボレーションコンサートをいたしました。 2回ともピアノに合わせた自作の朗読で、1回目は2001年9月、2回目は2007年11月4日です。前衛的な演奏で多和田さんはおろし金で乾燥したドイツパンをガリガリと擦って音を出したり、叩いたりの具体音を出します。不協和音がいつか音楽に変わる瞬間を聞き耳を立てて聴いた記憶があります。聴きなれた曲を待っている人はなんて言っていいのか不安な表情でした。

 2007年の演奏後、多和田葉子さん、高瀬アキさん、若江漢字さんの3人が一枚の絵を共同制作した作品をリトグラフにし、記念に茶の湯で使う風呂先屏風に仕立てたのを思い出しました。文章は多和田さん、ドイツ語で書いたのは高瀬さん、壷状の絵を描いたのが若江さんです。

 この企画はピアノ調律をなさっているサウンド・ウェーブの斎藤雅顯さんで、斎藤さんはスイスのジャズマンを呼んだり世界のミュージシャンに、彼らの演奏する機会と場を用意してあげるので、大勢のミュージシャンとっても尊敬されています。その貴重な一コマがカスヤの森現代美術館なんです。今更のように著名な面々の演奏を当館で聴くことができ深く感謝です。斎藤さんありがとうございます。

2007年のコラボレーション:右から高瀬アキさん・多和田葉子さん。

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