高橋アキさんのコンサート2024/04/14

昨日は5年ぶりに高橋アキさんのピアノコンサートでした。

2020年以降はコロナ禍で当館でのコンサートは出来ませんでした。 入り口の桜と裏手竹林の枝垂れ桜が華やかに満開になって春爛漫の陽気の中でシューベルトから始まりナムジュン・パイクがアキさんへ送った楽譜?の初演が行われました。準備したカメラ2台がアキさんの演奏する手元を写してモニター2台に画像を送ります。見ているゲストの方々はアキさんが演奏するバッハの平均律旋律をモニター画面と共に聴いているのですが、時折リズムを止めちょっと調子が狂います。
一枚のパイクさんのイラスト譜面を解釈しての現代音楽の楽しい時間でした。
それから坂本龍一さん、武満徹さん「さよなら」のアンコール曲の演奏などで幕下ろしました。
アキさん素晴らしいピアノ演奏を有難うございました。またいつも楽しみに来てくださる皆さま、そして遠方より来てくださった皆さまに心よりお礼申し上げます。

昨日は若江漢字さんのトークイベントでした。2024/03/11

 9日から始まったヨーゼフ・ボイス展にあわせ若江漢字さんによるトークイベント、2014年に当館で開催した来日30周年記念展時から10年ぶりとなるボイスについての講演会となりました。 会場いっぱいのご参加者に当館としても気持ちがこもった展覧会がより一層盛り上がりを見せてくれたように思われました。 はじめにボイスが育ったライン川西岸クレーベについて、ボイスが学んだデュッセルドルフアカデミーの教授のマタレーの作品を紹介し、ボイスがベニス・ビエンナーレに出品したトラム・ストップとの経緯などに話が及びました。
ご参加の皆さま、ご静聴ありがとうございました。
詳しくは後日HPにも上げさせていただきます。
早咲きの桜が今週いっぱいは見頃ですよ。

4年ぶりのピアノコンサート2023/08/25

 コロナも5種への移行になって、ようやく当館主催でのピアノコンサートを開催できました。

市川秀男さんのコンサートは2018年に開催してから5年も経ってしまいました。その時収録したCDはライブ感が感じられとってもステキな演奏で、いまでも人気のCDです。 以前にも書きましたが当館の曲「K'S MUSEUM」は中でもとても気に入っています、当館のドローン画像のBGMでもあります。 今回は2部構成で、おおよそ2時間近い演奏時間でしたが、前半の繊細でみずみずしいフレーズが重なってつくられるピアノの音色に魅了されました、後半には乗り切ったピアノ演奏にスイングしている方も多くて会場が広かったらきっとみんなで踊りだしたと思う。

彦坂さんの特別講演会が行われました。2020/09/07

 コロナ以降で初めてとなるスペシャルイベント、展示室に用紙した椅子は事前予約の15席です。いつもなら50〜60席並ぶのですが・・・。 まだまだ残暑きびしい中を熱心にお出かけいただい方で満席になりました。 彦坂さんが用意してくださった芸術作品についての講義は人類史の始まりからも含め、広い範囲に及びとても2時間では語り尽くせないものでしたが、彦坂さんの知識と体験からくる語りに時間の経つのを忘れてしましました。 いろいろな資料をご準備いただき長時間の講義、本当に有り難うございました。

「松澤宥を語る会」のお礼2020/02/05

1922年2月2日生まれの松澤宥さんの98歳のお誕生日(ご存命なら〜)を松澤さんのご家族を囲んで大勢の方々に集まっていただき、思い思いに松澤宥さんを語っていただきました。語り終わった後に特別に用意したバースデーケーキを皆さまで一緒にいただき、あらためて松澤さんの作品について考える良い機会となる展覧会だと思います。 2002年に当館で開催した展覧会のタイトルは「80年問題」、1970年〜71年にローマクラブが発表した「成長の限界」、そして、2000年に西澤潤一・上墅勛黄(うえのいさお)・共著「人類は80年で滅亡する」で、今まで作品上だった問題が現実であるとの根拠を示された松澤さんが社会的なテーマの作品タイトルを冠したものなのです。 2002年の当館会場での作品制作の映像ば流れ、よく通る松澤さんの「80年問題」の作品コメントを読み上げる声が会場いっぱいに響きました。
節分前日につき恵方巻き、初午をまじかに三角稲荷

橋本倫さんの特別講演2019/01/20

 今回の展覧会出品作家でもある橋本倫さんの講演会が昨日開かれました。 テーマが「治癒神としての美術」、橋本さんが日頃から研究し実践する絵画芸術における真髄を詳しい例を引きながら、現代の美術とアートの違いなど非常に緻密な講義をされました。 人間にとり、美のもたらす力は孤独を恐れず死をも肯定するという、永遠の領域に入るのだと定義する。 「無限という、人間を宇宙の時空に宙吊りにするパスカル的恐怖の対象である開かれた時間の両端を切断して光で繋ぐと、永遠という美の円環になる・・・」昨日配布のレジュメから。 この講義、会期中には会場のモニターでご覧いただけます。

高橋アキさんのコンサート、13回になりました。2018/12/05

 毎年続けて開催の高橋アキさんのコンサートが日曜日・2日にありました。 コアなお客さまを中心にして、遠く広島・兵庫・名古屋からもお越しいただき、演奏家と共に聴き入る方々が一体となって魅力溢れる時間が流れました。 10年ぶりにドイツ・ボンのお仕事から解放され、ご夫妻揃って(合計年齢164歳)葉山に戻られたウタさんたちの参加もとっても嬉しいことでした。 コンサートの最初は2004年になりますが、毎年のプログラミングがアキさんならではのユニークな曲がいっぱいです。今年も前半ではピーター・ガーランドがアキさんに贈ったバースディーパーティー、弦を押さえたトイピアノの音色で幼い時期を表現しているかのようでした。 後半のフェルドマンを聴くと彼から一つの物語を聴かせてもらっているかのよう・・・でした。 さて、来年のこともいまから楽しみです。 どうぞお越しくださいね。

小澤真智子−旅するヴァイオリン2018/11/24

 N.Yに暮らして21年の小澤真智子さん、一時帰国されてのヴァイオリンコンサートが、昨日カスヤの森現代美術館で開催されました。  プログラム前半は北アメリカ、北米随一と言われるガーシュインからポンセ、ラサラなどから始まる、とても耳に心地良い聴きなれた曲でしたが、なんとも心を揺さぶるような、しっかりとしてしかも繊細なヴァイオリンの音にお客様の表情が固まっているようでした。
後半は南米へ、これぞ真智子さんの心の故郷、ご自分の魂は今や51%がアルヘンティーナと言っていました。ピアソラのタンゴ曲ではご持参のタップ靴に履き替えてのヴィオリンとダンスを披露し、これまたお客様はもう目を丸くして見入ってしまいました。 フィアンセとの思い出の詰まったオブビリオン、悲哀にみちた音色はまさにヴィオリンが泣いているようでした。 素晴らしい演奏に魅了されました。 ステキなピアノは芸大時代の同級生:徳永洋明さんでした。

今年のアキさん、どのようなプログラム?2018/11/17

 宮脇愛子さんの展覧会がご縁でミュージアムコンサートを高橋アキさんにお願いしてから、今年で11回を数えるほどになりました。 アキさんほど、美術館でのコンサートがピッタリはまるピアニストはいらっしゃらないのでは・・・。  展示されている、絵画やオブジェ等どんな作品でもピアノの音が浸み込んで作品との交感するプロセスが一つの新たなストーリーを作り出します。プログラムには無いもう一つの別の曲目といっていいでしょう。 そんなアキさんにすっかり魅了されて今年もステキなプログラムを組んだくださったので、ぜひお出かけください。演奏後のブッフェ・パーティでアキさんともご一緒していただけますよ。 15日の豊洲シビックセンターホールのリサイタルでは、アンコール曲が止まらないくらいいつまでもピアノに向かって弾き続けるアキさんの姿が目に焼き付いています。

トークイベントそして、オープニングパーティー2018/10/08

 
 昨日は公開制作に続き、ゲストを迎えてのトークイベントがありました。
 アンソロジストとしてご活躍の東雅夫さんに山口由理子さんのインタビュアーをお願いし、今回の作品が生まれるきっかけや由理子さんがアーティストとして今に至る軌跡等をお話いただきました。高校卒業後に美大受験、その後エンジニアだったお父様がアメリカに帰化し、近くのUCバークレー校に入学してからアメリカの生活がスタートされたそうです。
 今回の展覧会は2009年にイタリアのベラージオでミネケ・シッパーさんと出会い、神話30点を絵画化することになりました。途中何度もミネケさんから出来上がった絵画へのダメ出しがあり、お互いのやりとりが厳しかったそうです。
 日本そして世界で起きている様々な災害は人々の日常を打ち砕いてしまいます。そんな絶望の淵から、人は光を見つけて今日まで歩んでいるのです。神話は歴史の語り部として尽きない物語として残されているのです。

途中、東雅夫さんのよく通る声でオセアニアの「海の神、ルアハトゥ」の神話の朗読が始まると、会場はシーンとなってその結末絵画と共に想像しているようでした。 できることなら、東さんにこの神話全部の朗読をお願いしたいくらいでした。