花盛りのカスヤの森です。2025/03/28

2月下旬のミモザの開花に始まった花の響宴、啓翁桜や早咲きの桜はそろそろ終わりになり、若木の大島桜や山桜の花がちらほら見えます。
そして最後の主役はなんといっても紅枝垂れ桜でしょう、ちょっと待って八重桜もトリにふさわしい華やかさですね。 雨上がりの今日のカスヤの森は花から花へと開花のグラデーションです。
利休梅の白い花も満開
一重の山吹も
紅枝垂れの蕾

中沢研・平川恒太《境界》展がはじまりました。2025/03/16

 先週の土曜日から31年目最初の展覧会がスタートいたしました。 詳しくはHPでご案内しておりますが、多摩美術大学で講師を勤めていた中沢さんとその学生だった平川さんのお二人の作品展示です。 中沢さんは当館で初めて展示していただきました。
平川さんは2021年10月から12月に展覧会”talk to the silence”をいたしました。ご記憶の方もいらっしゃると思いますが天井から星座の形の勲章モビールを吊るし、壁には真っ黒な藤田嗣治の戦争画を黒一色で模写した絵を展示しました。 9日にはお二人の作家を囲み和やかなオープニングパーティをいたしました。
平川さんの作品でレコードの共同制作者のFutamata Junさんも参加されました。クロージングライブは最終日5月16日に開催いたします。
詳しくは当館HPのExhibitionsとyoutubeをご参照下さい。

李禹煥展が盛況裡に終了いたしました。2025/03/02

 
先週末で終了した李禹煥展は当館30周年締めくくりにふさわしい充実の画業の結果とでも考えたくなるような作品の数々でした。
今までの作品をご自身でその殻を破り創り変え、新たな好奇心が導く新たな表現を探って新作を制作されたのだと思います。 2023年作の「失敗の果てに」にはじまった混色のストロークがキャンバス中央の「一刷けの存在」を消し去るように左右上下に動いています、そして2024年作の作品はそのストロークが丸くなりその中央は一刷けの空間となってキャンバスの白が残されていました。 李禹煥さんご自身の言葉で・・・作品を作っているともっと何か新たな可能性を持ったものが出来るんじゃないか・・・と好奇心が湧いてくるんです・・・
いつも知的な好奇心に動かされているなんて・・・なんと素晴らしいことでしょう。 このような生き方をしたいとつくづく思いました。人も美術館も・・・

李禹煥『合間の遊作』展が今週末で終了いたします。2025/02/19

 作家ご本人が名付けた本展覧会名でした、遊作された作品?に来館された方はそれぞれに楽しんでそして考えて帰ってゆきます。
入ってすぐの壁面に展示されたキャンバスを一点のストローク形で切り込みそこに鏡を嵌め込んでいるのです。 作品を観ると自分の顔が写っているのでびっくりです。 作品を観ることって自分を見ていると言っているような作品です。 昨年11月から始まった展覧会ですが日を追うごとに来館される方が多くなりました。 期間中には超多忙な日程の中で4回も訪ねてくださった李先生には感謝でいっぱいです。 先週金曜日にはこれが最後になりますが、、、といって来てくれました。 開館30周年記念展の最後の展覧会にこれ以上の展示はありません。 最高の展覧会をありがとうございました。
季節も巡り入り口のミモザも房が黄色に色づき始めました。 河津桜も一輪また一輪と咲はじめています。
あと4日間の展示期間になりました。 どうぞ「合間の遊作展」をお楽しみください。

いよいよ椿の季節です。2025/02/07

 カスヤの森にはやぶ椿の大木が何本かあります。 花の無い今頃、鮮やかな赤い花が咲き始めます。早ければ1月中から5月くらいまで次々と花が咲いてくれます。 椿の種類は数え切れないくらいありますが野生種のやぶ椿が一番好きです。
茶花として集めた淡いピンクの椿や白い加茂本阿弥などをラウンジテーブルに生けて見ました。

オペラシティでの今津景展2025/01/24

2019年に当館で開催された今津景展をご記憶の方もいらしゃるのではないでしょうか。
1940年代インドネシアを植民地化した日本軍が使った防空壕の大きな写真とジャワ原人の画を組み合わせた作品で展示室全体を覆うかのような迫力満点の作品でした。
今年1月11日から3月23日まで新宿オペラシティアートギャラリーで開催の今津景「タナ・アイル」にその作品が最初の展示室に再現されています。 当館での展覧会後インドネシア人のアーティストと結婚しそちらに住んで旺盛に作家活動をしています。

500号ほどの大作も含めエネルギッシュな作品が並び、インドネシが抱える環境破壊をテーマとした作品など見応えのある展覧会です。 当館からも小品1点を貸し出しました。 会期も長いので新宿まで足を伸ばしてご覧ください。 下記URLは当館2019年の展覧会の様子です。 https://www.museum-haus-kasuya.com/kei-imazu%E3%80%80anda-disini-you-are-here/

李禹煥展は今年2週間経ちました。2025/01/19

 李禹煥さんの展覧会は、今年になってから早2週間が経ちました。
遠方から熱心に来てくださる李さんファンの多さに驚いていますし、日々こちらまで来館される方々に感謝しています。 新国立美術館での大規模な展示をご覧いただいた方が殆どですが、今回の作品はそれとは全く違った肩の力を抜いた作品の展示となっています。 まさかの大根や唐辛子といった日常の野菜スケッチもあり 大作キャンバスのタイトルはなんと「失敗の果てに」・・・ 自由で気儘な心境の表れでしょうか、それにしてもどれも気迫のこもった作品です・

入り口のミモザの蕾が黄色く色づいてきました。今月中には蕾が開くのではないかと楽しみにしています。 春を告げるミモザはたしか四代目の木です。 少し枝をとってアレンジしてみました。

あけましておめでとうございます。2025/01/03

 穏やかな天候の三が日でしたが皆さまはいかがお過ごしでしたか。 天候とは裏腹に曇りがちな世界にどうしようもない気持ちになる新年でもあります。 せめて季節に合わせて無理のない営みを見せてくれる自然が救いです。
カスヤの森現代美術館として今年も多くの方々をお迎えしたいと願っています。展覧会を通して対話を重ねてさまざまな考えを深める機会を持ってゆけたらうれしいです。 開館31年目の今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年もご来館いただき有難うございました。2024/12/31

 開館30周年の記念年も余すとこと一日となりました。
昨年末からの30周年記念展は初回が松澤宥展、2回展がヨーゼフ・ボイス展、3回展は若江漢字「地中海−1始まり」、そして4回展はマルセル・デュシャンを考える、最後は現在開催中の李禹煥展です。
それぞれ当館にとってゆかりある重要な作家展となり、期間中には3回にわたり若江漢字によるレクチャーが開催されました。内容は当館のHPにも公開されていますが追って各記録を本としてまとめる作業を進めておりま。
記念年として6月30日には美術館友の会会員の方々をお招きしてお祝いいのパーティーを開くことができました。フレンチチェフ鳥海さんのコース料理は最高でした。宮城の伊達冠石の記念モニュメントも(近持イオリ作)完成しました。
開館以来30年間、いつも新鮮な気持ちにさせてくれる作品に出会える素晴らしい美術館とともに生きてこられた幸せに心から感謝しています。 実り多かった今年一年の感謝と来年も平和で健康で美術館で皆さまをお迎えできますよう願っています。 またお目にかかれる日を楽しみにしています。

Special ゲスト2024/12/14

 昨日、オープニング以来で李禹煥さんがいらっしゃいました。

旧知の高橋睦郎さんとご一緒でした。 高橋睦郎さんは今年の文化勲章受章者のお一人で2005年に当館での「文芸のまなざし」展にスケッチ画をご出品していただきました。 お二人のウイットと深い知識に富んだ会話が交錯したラウンジがいぶし銀に光った時間でした。 今年のノーベル文学賞のハン・ガンさんの言葉の裏側にある緩やかな批判精神などが話題となっていました。
いつも驚かされるのはどのような話題になったとしても的確な主張をもって整然と話される李禹煥さんです。