「松澤宥を語る会」のお礼2020/02/05

1922年2月2日生まれの松澤宥さんの98歳のお誕生日(ご存命なら〜)を松澤さんのご家族を囲んで大勢の方々に集まっていただき、思い思いに松澤宥さんを語っていただきました。語り終わった後に特別に用意したバースデーケーキを皆さまで一緒にいただき、あらためて松澤さんの作品について考える良い機会となる展覧会だと思います。 2002年に当館で開催した展覧会のタイトルは「80年問題」、1970年〜71年にローマクラブが発表した「成長の限界」、そして、2000年に西澤潤一・上墅勛黄(うえのいさお)・共著「人類は80年で滅亡する」で、今まで作品上だった問題が現実であるとの根拠を示された松澤さんが社会的なテーマの作品タイトルを冠したものなのです。 2002年の当館会場での作品制作の映像ば流れ、よく通る松澤さんの「80年問題」の作品コメントを読み上げる声が会場いっぱいに響きました。
節分前日につき恵方巻き、初午をまじかに三角稲荷

橋本倫さんの特別講演2019/01/20

 今回の展覧会出品作家でもある橋本倫さんの講演会が昨日開かれました。 テーマが「治癒神としての美術」、橋本さんが日頃から研究し実践する絵画芸術における真髄を詳しい例を引きながら、現代の美術とアートの違いなど非常に緻密な講義をされました。 人間にとり、美のもたらす力は孤独を恐れず死をも肯定するという、永遠の領域に入るのだと定義する。 「無限という、人間を宇宙の時空に宙吊りにするパスカル的恐怖の対象である開かれた時間の両端を切断して光で繋ぐと、永遠という美の円環になる・・・」昨日配布のレジュメから。 この講義、会期中には会場のモニターでご覧いただけます。

高橋アキさんのコンサート、13回になりました。2018/12/05

 毎年続けて開催の高橋アキさんのコンサートが日曜日・2日にありました。 コアなお客さまを中心にして、遠く広島・兵庫・名古屋からもお越しいただき、演奏家と共に聴き入る方々が一体となって魅力溢れる時間が流れました。 10年ぶりにドイツ・ボンのお仕事から解放され、ご夫妻揃って(合計年齢164歳)葉山に戻られたウタさんたちの参加もとっても嬉しいことでした。 コンサートの最初は2004年になりますが、毎年のプログラミングがアキさんならではのユニークな曲がいっぱいです。今年も前半ではピーター・ガーランドがアキさんに贈ったバースディーパーティー、弦を押さえたトイピアノの音色で幼い時期を表現しているかのようでした。 後半のフェルドマンを聴くと彼から一つの物語を聴かせてもらっているかのよう・・・でした。 さて、来年のこともいまから楽しみです。 どうぞお越しくださいね。

小澤真智子−旅するヴァイオリン2018/11/24

 N.Yに暮らして21年の小澤真智子さん、一時帰国されてのヴァイオリンコンサートが、昨日カスヤの森現代美術館で開催されました。  プログラム前半は北アメリカ、北米随一と言われるガーシュインからポンセ、ラサラなどから始まる、とても耳に心地良い聴きなれた曲でしたが、なんとも心を揺さぶるような、しっかりとしてしかも繊細なヴァイオリンの音にお客様の表情が固まっているようでした。
後半は南米へ、これぞ真智子さんの心の故郷、ご自分の魂は今や51%がアルヘンティーナと言っていました。ピアソラのタンゴ曲ではご持参のタップ靴に履き替えてのヴィオリンとダンスを披露し、これまたお客様はもう目を丸くして見入ってしまいました。 フィアンセとの思い出の詰まったオブビリオン、悲哀にみちた音色はまさにヴィオリンが泣いているようでした。 素晴らしい演奏に魅了されました。 ステキなピアノは芸大時代の同級生:徳永洋明さんでした。

今年のアキさん、どのようなプログラム?2018/11/17

 宮脇愛子さんの展覧会がご縁でミュージアムコンサートを高橋アキさんにお願いしてから、今年で11回を数えるほどになりました。 アキさんほど、美術館でのコンサートがピッタリはまるピアニストはいらっしゃらないのでは・・・。  展示されている、絵画やオブジェ等どんな作品でもピアノの音が浸み込んで作品との交感するプロセスが一つの新たなストーリーを作り出します。プログラムには無いもう一つの別の曲目といっていいでしょう。 そんなアキさんにすっかり魅了されて今年もステキなプログラムを組んだくださったので、ぜひお出かけください。演奏後のブッフェ・パーティでアキさんともご一緒していただけますよ。 15日の豊洲シビックセンターホールのリサイタルでは、アンコール曲が止まらないくらいいつまでもピアノに向かって弾き続けるアキさんの姿が目に焼き付いています。

トークイベントそして、オープニングパーティー2018/10/08

 
 昨日は公開制作に続き、ゲストを迎えてのトークイベントがありました。
 アンソロジストとしてご活躍の東雅夫さんに山口由理子さんのインタビュアーをお願いし、今回の作品が生まれるきっかけや由理子さんがアーティストとして今に至る軌跡等をお話いただきました。高校卒業後に美大受験、その後エンジニアだったお父様がアメリカに帰化し、近くのUCバークレー校に入学してからアメリカの生活がスタートされたそうです。
 今回の展覧会は2009年にイタリアのベラージオでミネケ・シッパーさんと出会い、神話30点を絵画化することになりました。途中何度もミネケさんから出来上がった絵画へのダメ出しがあり、お互いのやりとりが厳しかったそうです。
 日本そして世界で起きている様々な災害は人々の日常を打ち砕いてしまいます。そんな絶望の淵から、人は光を見つけて今日まで歩んでいるのです。神話は歴史の語り部として尽きない物語として残されているのです。

途中、東雅夫さんのよく通る声でオセアニアの「海の神、ルアハトゥ」の神話の朗読が始まると、会場はシーンとなってその結末絵画と共に想像しているようでした。 できることなら、東さんにこの神話全部の朗読をお願いしたいくらいでした。

公開制作にあたり、予行練習もいたしました。2018/10/03

  明日は今回の展覧会のスペシャルイベント、公開制作の日です。
このプログラムは半年前からワシントンの山口さんにお願いして快く受けていただきました。ワシントンのジョージ・ワシントン大学で教鞭をとっていたこともあり、人前での公開制作についてはなんの心配もないのですが、使い慣れた絵の具や筆などが揃っていない状況での制作なので、一通りの準備をして予行練習されています。

市川秀男・ピアノソロ2018/09/13

 9月9日の4時から昨年に続き、市川秀男さんのピアノソロ演奏がありました。 遠く静岡や埼玉からの熱烈なファンの方々から、地元町内の友人、今年も12月2日にリサイタルが決まっているピアニストの高橋アキさん、などの様々な顔ぶれで会場の雰囲気は上々。 今回は即興主体のプログラムナシ、高音の響きと色彩豊かな音色に引き込まれます。 これがジャズ? 市川さんの演奏を聴いているとジャンルや時代を飛び越えた音の世界が拡がってゆきます。 アンコールでは市川さん作曲の「K's Museum」、いつも流している曲です。カスヤの森現代美術館冥利に尽きました。 今年のブッッフェは重陽の節句にあわせて、菊菜・食用黄菊・シメジのおひたしやキノコの炊き込みご飯・冬瓜の煮物・スティック春巻き・くだものいっぱいのフルーツきんとん、お歳のせいか和食は美味しいが実感。

アーティスト・トークのご案内2018/08/24

 金井田英津子さんの展覧会が始まり、猛烈な暑さに直撃されているうちに、会期の半ばを過ぎていました。 金井田さんに制作についての事や、作品に寄せる考えなどを自由にお話ししていただくアーティスト・トークが明後日8月26日(日) 15:00 よりカスヤの森現代美術館 展示室であります。 予約は必要ありません。入館料のみでご参加いただけますので、どうぞお気軽にお出かけください。 残暑厳しい折ですが、文学と創作画のコンビネーションをお楽しみいただけましたらうれしいです。

解読された《大ガラス》若江漢字展が始まります。2018/03/08

 2015年にカスヤの森現代美術館で開催した同じタイトルの展覧会が明日から渋谷・松濤にあるGalleryTOMで始まります。
今年がマルセル・デュシャン没後50年でもあり、ギャラリーオーナーの村山治江さんからの依頼で実現したものです。
当館で出品したマルセル・デュシャンの俗称「大ガラス」ですが、今回は一回り小さいサイズの100号となりました。他にも遺作についての考察からの絵画や1970年代に制作のオブジェなど展示いたしました。
3月11日には神奈川県立近代美術館・館長の水沢勉さんとの対談もあります。
4月5日まで。ぜひご高覧ください。

今なぜ、デュシャンか? 解読された「大ガラス」若江漢字
http://www.gallerytom.co.jp/
東京大学の駒場キャンパス内にある「駒場博物館」では、1980年に制作された「大ガラス」東京ヴァージョンをご覧いただけます。ギャラリーTOMより徒歩12~15分程度の場所にございますので、ぜひこの機会に合わせてご覧いただければと存じます。
http://museum.c.u-tokyo.ac.jp/