ボイスとの会話 ― 2024/03/17
開催中のヨーゼフ・ボイス展には1983年にドイツ•デュッセルドルフのボイスのアトリエで取らせてもらったボイスの足型の凹型が出品されています。
当時、若江漢字さんが文化庁芸術家派遣生としてドイツに滞在中だったので7月16日に2時間ほどかけて取らせてもらった足型です。
このことはは前年11月にダライ・ラマ14世とボイスとの対談の際にボイスに直接頼み日にちは後日電話で決めたものでした。
(詳しいことは「ボイスの足型)みすず書房刊に若江漢字さんが記しています。
私も同席していて今でも忘れられないことがいくつかあります。
その日は夏の暑い日差しがボイスのアトリエの中庭に差し込んでしました。誰もが「今年のバカンスはここにゆくの」と話題の中心は夏の休暇の過ごし方でした。 忙しい日々を送るボイスだからこそきっと決まってゆく所があるのでは・・・と「この後にはどちらかへバカンスに行かれますか?」と聞いてしまったのです。すると「私はバカンスをとったことがない」との答えが返ってきました。作品に「Ich kenne kein Wochenende」「私は週末を知らない」があったのを思い出しました、しまった!!です。 「Ichi kenne kein Wochenende」 黒いトランクにはカントの本とソース
(詳しいことは「ボイスの足型)みすず書房刊に若江漢字さんが記しています。
私も同席していて今でも忘れられないことがいくつかあります。
その日は夏の暑い日差しがボイスのアトリエの中庭に差し込んでしました。誰もが「今年のバカンスはここにゆくの」と話題の中心は夏の休暇の過ごし方でした。 忙しい日々を送るボイスだからこそきっと決まってゆく所があるのでは・・・と「この後にはどちらかへバカンスに行かれますか?」と聞いてしまったのです。すると「私はバカンスをとったことがない」との答えが返ってきました。作品に「Ich kenne kein Wochenende」「私は週末を知らない」があったのを思い出しました、しまった!!です。 「Ichi kenne kein Wochenende」 黒いトランクにはカントの本とソース
昨日は若江漢字さんのトークイベントでした。 ― 2024/03/11
9日から始まったヨーゼフ・ボイス展にあわせ若江漢字さんによるトークイベント、2014年に当館で開催した来日30周年記念展時から10年ぶりとなるボイスについての講演会となりました。
会場いっぱいのご参加者に当館としても気持ちがこもった展覧会がより一層盛り上がりを見せてくれたように思われました。
はじめにボイスが育ったライン川西岸クレーベについて、ボイスが学んだデュッセルドルフアカデミーの教授のマタレーの作品を紹介し、ボイスがベニス・ビエンナーレに出品したトラム・ストップとの経緯などに話が及びました。
ご参加の皆さま、ご静聴ありがとうございました。
詳しくは後日HPにも上げさせていただきます。
早咲きの桜が今週いっぱいは見頃ですよ。
ヨーゼフ・ボイスからのメールアート ― 2024/03/07
明後日から始まるヨーゼフ・ボイス展には1976年にボイスから届いた一枚のハガキが出品されます。
このハガキは若江漢字さんがドイツ滞在から帰った翌年に世界のアーティストに世界地図が印刷されたハガキを「あなたの世界観をそこに描いてください」とメッセージを入れて送ったものです。 当時は個人情報などの守りも甘く、アーティスト・ダイアリーというイタリアから出版されている芸術家名簿などが簡単に手に入る時代でした。 返信してくれたのは音楽家のシュトック・ハウゼン、ジョージ・マチューナスやソル・リビット、リチャード・ロング、等々日本人39名、海外16名でした。
なかでもボイスからのハガキはとても興味深く魅力的な表現のものでした。 世界地図に数カ所の点と古式書体のドイツ語で「Geysir」とペンで書かれ、赤黒い色をしたその文字を斜めにかざすと緑色のような光りが反射して、子供の頃に傷口に塗った赤チンキと同じですまさに赤チンキを使ったのです そして古式書体の「Geysir」は解読するのに数年かかりましたが「間欠泉」であることがわかるとボイスの考えている世界観がグーンと具体的に迫り、さすがボイスらしい表現の素晴らしさに持つ手が熱くなりました。いまでは当館の宝物になっています。
このハガキは若江漢字さんがドイツ滞在から帰った翌年に世界のアーティストに世界地図が印刷されたハガキを「あなたの世界観をそこに描いてください」とメッセージを入れて送ったものです。 当時は個人情報などの守りも甘く、アーティスト・ダイアリーというイタリアから出版されている芸術家名簿などが簡単に手に入る時代でした。 返信してくれたのは音楽家のシュトック・ハウゼン、ジョージ・マチューナスやソル・リビット、リチャード・ロング、等々日本人39名、海外16名でした。
なかでもボイスからのハガキはとても興味深く魅力的な表現のものでした。 世界地図に数カ所の点と古式書体のドイツ語で「Geysir」とペンで書かれ、赤黒い色をしたその文字を斜めにかざすと緑色のような光りが反射して、子供の頃に傷口に塗った赤チンキと同じですまさに赤チンキを使ったのです そして古式書体の「Geysir」は解読するのに数年かかりましたが「間欠泉」であることがわかるとボイスの考えている世界観がグーンと具体的に迫り、さすがボイスらしい表現の素晴らしさに持つ手が熱くなりました。いまでは当館の宝物になっています。
IMBOS 復刊いたしました。 ― 2024/03/07
当館で不定期刊行している小誌「IMBOS」は1998年に初刊いたしました。
次は1999年に続けて刊行いたしました。
美術館へ来館された方々から自由な角度から執筆をお願いいたしました。
その後2019年に25周年記念としてのvol 6 まで続いておりますがその後ちょっと停滞しています。 vol 1 では舟越 桂さんのインタビューだったり、vol 2 では草間彌生さんの当館へのメッセージを掲載させていただきました。 当初の部数が少なかったことや来館される方へ配布したりで無くなり、今日までコピー版で凌いでおりました。 開館30年を機に当時のままに復刊いたしました。 ご希望の方へ頒布しておりますのでご連絡ください。
その後2019年に25周年記念としてのvol 6 まで続いておりますがその後ちょっと停滞しています。 vol 1 では舟越 桂さんのインタビューだったり、vol 2 では草間彌生さんの当館へのメッセージを掲載させていただきました。 当初の部数が少なかったことや来館される方へ配布したりで無くなり、今日までコピー版で凌いでおりました。 開館30年を機に当時のままに復刊いたしました。 ご希望の方へ頒布しておりますのでご連絡ください。
松澤宥展が終了いたしました・ ― 2024/02/25
昨年12月に始まった松澤宥展ですが、本日が最終日でした。
1996年の初回企画展に選んだ展覧会が松澤でした。あれから30年近く経ち、時代が松澤宥に追いついてきているように思われます。
2022年の長野県立美術館での大規模な回顧展はその大きな契機になりました。今回の松澤宥展にご来館される方の多くは実際にご覧になっていました。同時開催のご自宅近く下諏訪一帯での松澤関連イベントもご存知でしたし、前知識の豊富さにこちらが刺激されるほどでした。 これからもじっくりと理解が深まる松澤作品は様々な分野への今後の拡張作用が楽しみです。 この展覧会がこれからの松澤作品への一つの入口となってくれることを願いつつひとまずは閉展。 ご来館いただきました皆さまへ感謝申し上げます。
2022年の長野県立美術館での大規模な回顧展はその大きな契機になりました。今回の松澤宥展にご来館される方の多くは実際にご覧になっていました。同時開催のご自宅近く下諏訪一帯での松澤関連イベントもご存知でしたし、前知識の豊富さにこちらが刺激されるほどでした。 これからもじっくりと理解が深まる松澤作品は様々な分野への今後の拡張作用が楽しみです。 この展覧会がこれからの松澤作品への一つの入口となってくれることを願いつつひとまずは閉展。 ご来館いただきました皆さまへ感謝申し上げます。
松澤宥展も来週迄です。 ― 2024/02/17
春を見つけました。 ― 2024/02/11
明日は旧暦の元旦です。 ― 2024/02/09
沖縄での若江展 ― 2024/01/28
沖縄県那覇市にある「GALLERY ATOS」で2月20日から28日まで若江漢字・平川恒太による「画家とシャーマン」展が開催されました。
平川さんは当館でも2021年11月に「Talk to the silence」で個展を開催した作家です。
若江と私は沖縄へは今まで足を運んだことがありません。いつも心の中に戦中戦後の沖縄への様々な負担を背負わせ続けているという後ろめたさもあり、物見遊山ではとても行けませんでした。 そんな中でも平川さんの持つ沖縄の風土性を追求した興味深い多くの知識、その彼となら一緒に行って見たいと話を進めた結果の展覧会でした。 <br> 那覇空港から近いモノレールの小禄駅の近くにある画廊です。展覧会前日の展示からオープニング、その後3日間沖縄南部を中心に案内してもらいました。 首里城はもちろん、玉陵、斎場御嶽、宮城島、等々異文化に触れた濃い体験ばかりでした。 首里城には「オオゴマダラ」という大きな蝶がたくさん飛んできていてびっくり。近くの植物園の中には葉に卵を生んでいる姿、そして孵化する姿と羽化する蝶が大きなハウスの中で見ることができました、金のサナギまで。
若江と私は沖縄へは今まで足を運んだことがありません。いつも心の中に戦中戦後の沖縄への様々な負担を背負わせ続けているという後ろめたさもあり、物見遊山ではとても行けませんでした。 そんな中でも平川さんの持つ沖縄の風土性を追求した興味深い多くの知識、その彼となら一緒に行って見たいと話を進めた結果の展覧会でした。 <br> 那覇空港から近いモノレールの小禄駅の近くにある画廊です。展覧会前日の展示からオープニング、その後3日間沖縄南部を中心に案内してもらいました。 首里城はもちろん、玉陵、斎場御嶽、宮城島、等々異文化に触れた濃い体験ばかりでした。 首里城には「オオゴマダラ」という大きな蝶がたくさん飛んできていてびっくり。近くの植物園の中には葉に卵を生んでいる姿、そして孵化する姿と羽化する蝶が大きなハウスの中で見ることができました、金のサナギまで。
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